作者:リリアムオーラタムン
「おれ」はある時から電車での通勤途中に見かけた「あの子」とまた会えるようにとメモをつけるようになったらしい。時刻、号車、どのドアから乗りどこに座りどこで降りるか……などなど。事前にリサーチした通りに「あの子」が現れるのはゆううつな朝の中のヨロコビだった。男としての妄想も欲望も日に日にどんどんふくらんでいった。しかしある日「おれ」は失業し「あの子」を見かけることはなくなった。それでもそのメモだけは残… 続きを読む
作者:リリアムオーラタムン
「おれ」はある時から電車での通勤途中に見かけた「あの子」とまた会えるようにとメモをつけるようになったらしい。時刻、号車、どのドアから乗りどこに座りどこで降りるか……などなど。事前にリサーチした通りに「あの子」が現れるのはゆううつな朝の中のヨロコビだった。男としての妄想も欲望も日に日にどんどんふくらんでいった。しかしある日「おれ」は失業し「あの子」を見かけることはなくなった。それでもそのメモだけは残… 続きを読む