作者:弐城宇井
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その先生は、生徒からも慕われる気さくな先生
でした。
ぱっと見は、それなりのお歳のオバチャン先生。
ポッチャリめではありますが、容貌(カオ)は
キレイ系。
ただ、オッパイがとにかく大きいオバサンで……。
ラージサイズのブラでしっかり抑えた上から
でもわかる、ズッシリとしたその存在感。
男子生徒たちもついついチラ見しては、
マナー的にたしなめられてしま… 続きを読む
学校ではそのへんをそれなりに指導していて…。
その一方で、独身ゆえの気楽さか、自宅では
かなりざっくばらんな服装。
ブラも着けず、締め付けのゆるい、薄手の楽な
シャツを着てるだけ。
そのせいで、年齢や大きすぎるのもあってかなり
タレてしまっているオッパイのカタチや、大きな
乳輪もそれなりに透けて見えてしまっていて…。
そんな格好のまま、新聞屋さんが集金に来たら
玄関に出ていってしまうような無防備な所も。
そんな先生が、ある事件に巻き込まれて
しまいます。
それは誰にも言えず、一人で抱え込まざるを
えないような事で……。
それでも学校では、同僚の先生にも気付かれない
ように無理して笑って、普段どおりにふるまい
ます。
しかしそのうち、元々ぽっちゃりした体型の
先生が、なぜか『お腹だけ』に更におニクが
つき始めて……。
先生は独身のはずなのに、まさか妊娠?
ただしこれは本人が、『太っただけ』と笑い
バナシに。
ですが…………、
しばらくすると、先生は学校を休職して
しまいます。
また教壇に復帰した時には、お腹はすっかり
もとに戻っていました。休職してまでの、
大掛かりなダイエットだったのでしょうか?
これだけならそれで済む話でしたが……。
その後先生は、また何度も『お腹だけ』が大きく
なり始めて……。
そして太ったではハナシが通らない大きさになる
前に、休職を繰り返すようになってしまいます。
ただしその休職は毎回、すんなり教頭先生を通して
受けられているようで……。
そのうちゴシップ好きの生徒の誰かが、たまたま
遠目から、休職中の先生らしきヒトを見てしまっ
たらしいのです。
随分とラフな格好だったと。
ブラも着けていないようで、ゆったり垂らして
いる大きなムネのカタチや、乳輪の色まで
分かってしまうような薄着。
しかも独身のはずの先生のお腹は、太ったとは
明らかに違う、すっかり大きくなった状態。
そんな姿で、玄関先で不良っぽい男子と会って、
家の中に入れていた…。
何か真面目に相談を受けているとか、そういった
モノとはとても思えない雰囲気で。
さらに招き入れているのは、ひとりだけではない
ようで……。
自宅で下着も着けないゆるい恰好なのは、先生に
してみれば普段どおり。ですがそんな事を生徒が
知るはずもなく…。
そんな格好のままで、幾人もの男子を自宅に入れ
ているのを見られてしまった……。
要は、もう若くもない独身の女性教師が、
こっそり不良っぽい若い男を何人も家に
招き入れ、避妊もいい加減なまま遊ばせて
挙げ句あのお腹……と、下世話な勘ぐりで
そんなふうに見えてもおかしくない状況。
このころにはさすがに、生徒の一部でこっそり
ウワサが流れるようになってしまいます。
――なんか自宅で、副業で風俗やってる――
――しかも避妊具ナシでOKで、もし妊娠させて
しまってお腹が大きくなっても、あとの事は
先生のほうでやってくれる――
――こっそり訪ねていけば、相手してもらえたり
するかも――
そんな、普通の風俗でも有り得ないムチャクチャな
内容のウワサ。
そして先生自身も、ウワサされている事は知って
いて……。
ただし生徒のほうも、ぶしつけに質問してくる子は
まだ居ない状態。
ただ、黙って日常をこなしていく先生。
しかし、やがてまた休職してしまい……。
そして先生は今、人気のない病院の待合室の椅子に
静かに座っています。
いつもは腰辺りまで届くほど垂れ下がっている
大きな胸。それが今は、下から左右に押し分け
られるように持ち上がっていて…。
大きな胸を下から左右に押しのけているのは、
ずいぶんと大きくなったお腹。
もはや隠しようもない妊婦姿でした。
ひとり静かに座る先生のとなりに、もうひとり、
失礼しますねと腰かけてくる女性が。
それは様子を見に来た上司、教頭先生でした。
何度もの休職の申請に深く尋ねることもなく、受理
してくれている壮年の女性です。
他愛ない話をしながらでしたが、やがて教頭は
『悪いとは思ったけど、少し調べさせてもらった』
と、申し訳なさそうに告げます。
勘ぐられはしても、誰にも話したことのない
秘密。なのに彼女はほとんどを知っている
ようで……。
そして教頭先生も、自分が過去に見舞われた、
本当なら言いたくないはずの辛い事件を語ります。
その上で告げてきたのは、こんなお腹になって
いる先生が、それでも隠したい今の秘密の今後に
ついて……。
それは、たとえこのまま黙っていようとも、
または明かして助けを求めようとも、すでに
リスクが高すぎる事。
言われた先生も、もう八方塞がりにまで悪化
している状態だと自分でも分かっていたようで、
うなだれてしまいます。
ただそこで教頭から、おどろくような第三の
選択肢を示してもらえるのですが……。
その内容は突飛すぎて、すぐに「お願いします」
とは言いがたいものでした。
やがて教頭は、考える時間もいるでしょうと
去っていきます。
ひとり待合室に残され、ただじっと、自分の大きく
なったお腹を見つめる先生。
教頭先生には知られてしまっているようだけれど、
秘密を漏らすような人ではない。
けれど勧められた提案は……、教頭という立場の
ある人から出たとは思えない、そうとうキワドい
もので…。
でも、ほかに相談なり助けを求めたりして
公(おおやけ)になってしまえば、それこそ
大騒ぎになってしまう。
今の職業も、社会的な立場もどうなるか……。
ならズルズルと、現状に甘んじ続けるしかないの ?
かかえた秘密から辛い目にあい続けながら。
そのせいで、せっかく慕(した)われていた生徒
たちからの、心無いウワサにさらされながら。
そもそも先生は、いったいどんなトラブルに
巻き込まれ、何をされ、どのような目にあって
きたのか……。
苦悩する先生の選ぶ先は、果たして――
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コミック本編:52ページ
その他 :表紙等カラーイラスト9ページ
幕間モノクロ2ページ
企画・製作:サークル
『 弐城宇井(にしろうい)』
special thanks
・3D技術協力:
『atelier ―Blenda C Lips―』
(アトリエ ブレンダ・C・リップス)