んを密かに想っている。
隣の席になれた主人公は、
授業の始まりと終わりのわずかな時間、三枝さんと交わす会話が生きがいにさえなっていた。
だけど、ある日からクラスのチャラいクズ男、浜田が彼氏のように振る舞うようになった。
三枝さんの顔は、嫌がっているようにも見えるが特に拒否する様子もない。
ヤキモキしながら二人に目を向けてしまう毎日。
その視線に気づいた浜田が主人公にDVDを売りつける。
そこに写っていたのは衝撃的な事実だった。
以下、本文抜粋
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女神・・・天使・・・聖女・・・マリア・・・僕たち地味仲間は、影で三枝さんの事をそう呼んだ。
ボクは今まで生きてきて三枝さんほど優しい女性を見たことがない。
いや・・優しいってだけじゃなくて・・・なんて言うんだろ?・・・・・女性なんだ。
明るいけど静かで・・おっとりしていて・・日本女性って感じ。 いつも少し微笑んでるし・・
三枝さんが天使だと気づいたのは、2年前の時の・・あの出来事だった。
その日、下校途中に、ゲロを垂れ流しながら座り込んでいる爺さんがいた。
学校の近くだったので大勢の生徒がいたが、皆、思っていたはずだ。
どうせ●っぱらいだろうし、ゲロを触りたくないし・・逆に怒鳴られたり・・損をするのはいやだ・・・。
皆、例外なく・・当然のように・・あるいはボクのように躊躇したりしながら素通りしていた。大人も同じだった。
損をしないなら・・助けてもいいけど・・・と。 今回のは・・・ちょっと・・って感じ。
「大丈夫ですか?」
一人の女生徒が声をかけた。そしてなんと、躊躇もせずにゲロ爺さんをおぶったのだ。
それが三枝さんだった。
※中略
三枝さんは、クラス内では「顔はそこそこだが真面目でおとなしく目立たない」印象なのだろう。
少しダサ目の制服を着崩すことなく第一ボタンまでしっかり留め、スカートも長く、眉毛も太いまま、
髪は黒く。髪型も少し・・野暮ったい。
それが功を奏して派手系男子達の目をそらしていることにボクは安心していた。
大きな胸と大きなお尻、制服に隠された彼女の体は、意識せずに見ると、丸顔も相まって全体的に
少しふっくらした女の子に見えてしまう。
皆は気づいていない・・・三枝さんのウエストが、くびれていることを。
三枝さんが太めなんかじゃなくてスタイルがいいんだということを。
そのことに気づいている人間は他にもいるとは思っていた。
だけど・・・よりによってアイツが気づいていて・・・三枝さんの体を狙っていたなんて・・。
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