今は大切な時期。愛莉もそれは理解していた。でも、切なさは消えない。
ある日、彼に代わり、忘れ物の衣類を取りに来ただけだった。
夕刻で人気のなくなった校舎、想い人の匂いのする衣服、恋に焦れる想い――
周囲を見やり、衣服を顔に近づけていく。好奇心と状況、それに想い人の匂い。
それは恋する彼女にとっては麻薬だった。
一度だけ、たった一度だけ、愛莉の自制心は急速に蝕まれてゆく。
想いの分だけ、心は強く揺さぶられ、嗅げば嗅ぐほどに切なさは増してゆく。
彼への気持ちが溢れ、もう自制の崩壊を止められそうにない。
秘められた場所へと、手が伸びていく。切なさを打ち切るための、甘い快楽を求めて。
ここで辞めておけば、満たされておけば、これからの話は無く、思い出しては赤面する程度で済んだと言うのに……。
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